カテゴリ:やさしい樹の知識( 8 )

ウワミズザクラ

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日本全土の山地に分布生育する落葉高木で、名のとおりサクラのなかまですが、

花は図のような総状花序で枝先に集まって、一見ブラシのような太い穂になって

4月~5月に咲きます。

花の色は淡色なので、霞がかったようであまり目立ちません。

全国にあり、方言も多く「日本樹木名方言集」によると98種の名がありました。

その代表的なものはアハカ(静岡)・ウワミズ(石川)・ナタズカ(福島)・クソザクラ

(群馬・長野・岐阜)・ヘコキザクラ(愛知)・コンゴザクラ(山梨)・ツビヤキ(埼玉)・

メザクラ(埼玉)・モーカ(高知)などです。

ナタズカの名は材が強勤で、鉈の柄に賞用されることからの呼び名。

この木の生木樹皮は平滑で紫黒色で光沢があり強い異様な臭気がします。

クソ・ヘコキ・ヨグソなどはこの強皮の臭いによるものと思われます。

徳島ではこの木をモモクサと呼びます。この木は古事記に婆婆迦の名で呼ばれ、

ハハカ→ホウカ→モウカと変化したもので古名ハハカに由来するそうです。

また、ツビヤキ(埼玉)という呼び名は、この木は焚き木にすると、パチパチはぜて、

火の粉が勢いよく飛び、行儀の悪い御婦人をねらうそうです。このことからの名

ですが「ツビ」の意味は大変むつかしく、皆さん調べてみて下さい。

この他にウワミズザクラはウワミゾザクラ(上溝桜)の転訛したもので、昔、亀甲で

占いを行うとき、この材の上面に溝を彫って使ったからで上溝(ウワミゾ)といった

ようです。

古い神社ではこのハハカ(ウワミズザクラ)を植えて育てていることがあります。

材はヤマザクラに似た有名な散孔材で心材は赤褐色、辺材は淡褐色で建築

(内部造作・板類)、器具(小細工・菓子箱・柄・丸物・漆器木地・盆)、彫刻

(印判・版木)、施作、薪炭など、樹皮は小細工(タバコ入れなど)に胡用し、

根とともに染料(鳶色)に利用されます。

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by forest-worker | 2006-09-04 19:00 | やさしい樹の知識

木七、竹八、堀十郎

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生活のなかに木や竹を沢山使用してきたわが国では昔から

「木七、竹八、堀十郎」と言われてきました。

これは木を伐るならば7月に伐れ、竹を伐るのは8月の盆から翌年の1月までに伐れ

日本の建築に多い土堀を塗るなら10月に濡れという教えであります。

日本での昔からの言い伝えですから、この7月とか8月とかは旧暦のことで、

現在の太陽暦に直すと2ヶ月ずつずらして木は9月に伐りなさい、

竹は10月過ぎから翌年の2月中に伐採すれば虫がつきません、

堀は12月に作れば良いということになります。

この「木七」ということが言い伝えられ始めた時代が、木材を丸太のまま使うころなので

木の表面の状態が使用上とりわけ重要だった頃のコトワザだった点に留意しておく必要

があります。現代は木材を製材して板や柱の対称として利用するのには四季に関係なく

伐採していますからこの「木七」にあまりこだわることがなくなりました。

竹についても釣竿やハタキの柄、建築用の丸窓などに使われる黒竹などは現在でも

10月11月に伐られます。とくに「竹は寒に伐れ」とも言われているのは、澱粉質が一番

少なくなる時期に当ることや、樹液の流動が止まった時期であるということとともに、

竹は非常に虫の付きやすい材だから、虫の付きにくい寒い時期に伐って虫の付くのを

防ぐという理由によります。

なかでも魚釣りに使用される竹は一層注意して強度がでる時期をみて採取されました。

元来日本の川釣りと西洋の釣りでは驚くほどその方法が異なっています。

これは竹のある国と竹がない国の差です。

日本は竹がありますので長い竿をつくりその長さとしなりを応用して目標に正確に鉋を

落とす餌釣りが発展しました。これに対し西洋には竹がありません、昔の西洋の釣竿は

ヤナギの枝などの木だったようです。これでは長い竿を作ることも、正確に目標に鉋を

落とすこともむずかしく、そこで考え出したのが太めの糸の張力を利用して遠くにルアー

やフライを飛ばす技法が発達したようです。

話が少し川にむかいましたが本題にもどり、堀は10月(現在の12月)に作れと言うのは

堀は土と竹を塗りこんだ土堀のことで空っ風がよく吹いて空気が乾燥する12月が、

土堀のなかで生きている竹にとっても最も乾燥しやすい時期だからのようです。


*画像は日本最後の清流「高知県:四万十川」を撮影したものをアップしました。
 一応、釣りに関連した内容ということで・・・・・・・・・・
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by forest-worker | 2006-05-17 19:08 | やさしい樹の知識

第6回 イチョウ

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イチョウ科のこの樹は私達になじみが多く、我が国の街路樹本数トップ。

また、神社・お寺・公園・などに多く植えられ秋に黄金色になる扇形の葉は誰もが

一度は拾って押し葉にしたことがあると思います。

この木は樹高40~50m、直径5m程になる大木でよく目につき九州では山の中にも

よく見かけますが元来日本には無い木で中国に生育していたものが室町時代か

鎌倉時代に渡来したものです。

現在では多くの国々で街路樹として多数植えられていますがヨーロッパには1694年に

日本から渡りアメリカへは1784年にヨーロッパから渡りました。

この木には雌雄があり、ぎんなんを取るには雌木を植えますが、街路樹にするときは

道路へ実が落ちるのを避けて雄木が植えられます。

イチョウは葉が扇形で一見広葉樹のように思われますがこの木はスギやマツ類と

同じ針葉樹なのです。

またこの葉をしおりとして書籍の間に入れておくと紙魚(しみ)がつかないそうです。

ほかには種子の内部の堅い殻に包まれた部分がギンナンで焼いたり、または

茶碗蒸し・おでん等によく使われます。

樹は街路樹、造園木として多く利用され材は工作し易く、仕上り表面に光沢があり

水湿にも強く、耐久、保存性が高く、器具材・鉛筆材・漆器木地・彫刻・版木・木魚

天井・床板・仏壇等に使用され特殊なものに碁・将棋盤・将棋駒・そろばん玉・まな板に

活用されます。

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by forest-worker | 2006-04-18 19:30 | やさしい樹の知識

第5回 ブナ

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わが国温帯林の代表的な林木で北は北海道の長万部から、南九州の高隈山にまで

分布する落葉広葉樹です。

この木の蓄積は日本の広葉樹の中で最も多く1億立方メートルも在るそうです。

大木になると幹が雄大にうねって山の守り神のような力を感じさせます。

事実、ブナの美しい山は土砂崩れや洪水の被害が少なく、動物も多くすみつき、

水がきれいで魚の種類も豊富だといわれています。

「ブナの木1本は水田1反を潤す」 

といわれるほどで、米どころの背後地はブナ林が多い所です。

材は散孔材で美しく用材として古くから、漆器木地・杓子・柄物等に利用されており

また戦後木材技術の発達により合板・曲げ木椅子・木管・パーティクルボード・船舶用・

家具に多く利用され特にパルプ原料に多用されてきました。

コピー・ファクシミリ用の上質紙の製作用原本として最適品です。

また忘れてならないものにパチンコ台があります。

ブナ材は玉が走るセルロイド系の化粧板の裏板に使用されています。

パチンコ台がブナ材でなければいけない大切な点は、

1.釘の保持力が抜群である

2.音の反響が素晴らしくよい

3.受け釘を腐食させない

など、パチンコを愛する方にはブナは必要不可欠かもしれません。

果実は堅く三角錐形で2個ずつ殻斗(クリのいが、どんぐりのお椀など)の中に

あります。もちろんこの種子は山に住む動物たちの食糧でもあります。

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by forest-worker | 2006-03-27 19:27 | やさしい樹の知識

第4回 センダン

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暖地産の落葉高木で、日本ではただ一種センダン科のセンダンです。

伊豆半島、福井県以西、四国、九州、沖縄、朝鮮半島、中国に自生しています。

葉は絵のような羽状複葉で樹形は大きい枝をまばらに出し樹冠は大きく四方に

広がります。

四国、九州では道路わきや、家の庭等でよくみかけることができます。

樹高は20m~30mにもなり西日本では大木で天然記念物にもなっています。

初夏のころ若枝の先に大形の淡紫色の花をつけます。

花と葉を遠くから見るとフジと見間違えることがあるようです。

果実はパチンコ玉より幾分大きい程度の楕円形で10月頃に黄色に熟し、

葉が落ちたあとも長く枝に残っていてこれを俗にセンダン坊主というようです。

材は黄褐色で年輪も明瞭で用材として家具の装飾材、木魚、楽器、ケヤキ、

キリの模擬材として用いられます。

この木は古名をアフチ又はオウチ(棟)といい、日本では古く罪人の首をさらすのに

この材を用いたと多くの文献に記載されているようです。

このためこの樹は縁起が悪いともいわれております。


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by forest-worker | 2006-03-07 20:16 | やさしい樹の知識

第3回 ヤマグワ

ヤマグワ(クワ科)とは?

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クワ(桑)、これは皆さんが、よくご存知のようにカイコのえさとして栽培されており
中国産のマグワと日本の山に自生するヤマグワの2種類があります。

今回はヤマグワについて述べさせていただきます。

この木の分布は南樺太・南千島・朝鮮半島・中国東北、
日本全国で木材としての蓄積は極めて少なく貴重な材です。

樹高15メートル、胸高直径50センチメートルに達するものがあり
互生する葉は、いろいろな形に浅裂あるいは深裂しています。

クワ科の植物では、私達がよく目にするものには
和紙の原料になるコウゾやイチジク、
暖地海岸に生育するアコウ・ガジュマル、観葉植物ではインドゴムノキなど。

この木は雌雄異株まれに同株で、花は4~5月に咲きます。
果実は初夏の頃たわわになり、青から赤、黒と熟し変わっていきます。

この実は果実酒にすると、「郷愁のワイン」といったおいしいものができます。
また滋養強壮・不眠症・疲労回復・血圧降下の薬効があるようです。

木材は用材としての蓄積は極めて少く貴重です。
優良な環孔材で黄褐色の大層きれいでまた美しい杢がよく出ます。
磨くと光沢が出て雅味のある材で、材価も非常に高く、広葉樹材中1・2を競うものです。

材の利用は床柱・床板・鏡台・タンス・火鉢・椀・弓の側木・櫛・彫刻と多様ですが
とくに碁笥がよく知られております。

最後に
<クワの果実酒のつくり方>
1.8リットルのホワイト・リカーに500gの実を入れ砂糖は50g加えます。
果実の熟度によって、ピンク・ぶどう酒色・紫色と好みのものができます。


*私はまだ梅酒しかチャレンジしたことがありません。

こちらのブログでさらに詳しく!!
花図鑑のボロボロブログ!
まーさんのネイチャーワールド

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by forest-worker | 2006-02-09 20:00 | やさしい樹の知識

第2回 ネムノキ

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ネムノキとは?

名のとおり小葉が夜になると閉じて、睡眠現象をしめすことは
よく知られており、古名をネブといいます。

夕方小葉を閉じ、朝方陽光をうけて開く特徴があります。
葉は互生で、このような葉を「偶数二回羽状複葉」と言います。

我が国では本州から沖縄までの山や野に多い落葉高木で
樹高は10~12m位になります。

また梅雨のころ6~7月枝先にピンク色のきれいな花を咲かせます。
ピンク色の絹糸を束ねたようなこの花は、果実は10~12cmぐらいで
10月頃成熟します。

観賞用として植えられますが、日当りがよければ、やせ地や乾燥地にも
よく育つので、砂防用に植林されることもあります。

また春の芽立ちが遅いのに成長がきわめて早いという特徴もあります。
地方名も多く国内では106種の呼び名があります。
(ネブ・ネブタノキ・ネブリギ など)

材は環孔材でやわらかくてもろい。
材の用途は、屋根板・家具(タンスの前板・机)・器具(桶・柄・馬の鞍)
などの施作等に用いられます。
 
最後にネムノキに関して有名な芭蕉の句をひとつ!


象潟(きさかた)や雨に西施がねぶの花


<補足>
西施は中国の周代、越の美女

こちらのブログでさらに画像を詳しく!!
ものろーぐPhoto
三代目のダイアリー

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by forest-worker | 2006-02-09 06:28 | やさしい樹の知識

第1回 センノキ

センノキとは?

本州、四国、九州、北海道、朝鮮、中国に自生し、
我が国では北海道に多い高さ25m胸高径1mになる落葉高木です。
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センノキは土地の肥えたところに自生するので、
北海道では農業の道しるべだったわけです。 

枝に鋭いトゲが有り、葉は大きく長さ、幅共に20~30cmになり、
また掌状に5~9中裂します。

タラノキの若芽は早春の山菜としてうまいものの1つにあげられますが、
同じ「ウコギ科」のセンノキの芽も同じく食べることができます。

また伊豆下賀茂地方では5月の節句に粽(ちまき)を
この大きい葉で包むので、チマキバラといいます。
横須賀では餅を包むのに、この葉を使うためカシワと呼びます。

材は辺材が淡黄白色、心材は淡灰褐色で
センノキにはオニセンとヌカセンがあると言われております。

オニセンは材質は白いが、年輪の幅が広く石センとも呼ばれ堅く重い。
板はすぐにそったり割れたりするので、用材はマクラ木にしていたようです。

一方年輪の幅が狭いヌカセンは柔らかくカンナをかけると
キリに似たツヤがでるので多用されます。

材は環孔材で美しい木目がでて、合板、建築、家具、器具、運動具、
機械、楽器、土木、彫刻などに使われます。

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ものろーぐPhoto

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by forest-worker | 2006-02-09 06:23 | やさしい樹の知識